全スプ(井頭公園)振り返り

下書きに入れたままになっていた。一応公開しておく。

井頭公園は難しかった。これに尽きる。

地図描いて予想しても、その対策を遥かに越えてくる難易度だった。

 

31位というのは予選だったらボーダー落ちの順位で昨年に引き続きボーダー直下だったということになりかねなかった。決勝1本で救われる形だった。

 

作図は時間に対して効果が大きかったかといわれると割とシビアだが、構造を理解していなかったら順位は確実に悪かった。ME3→4、4→5は完全に事前の対策で救われた部分。初見ではあのスロープは読めなかっただろう。一方で21→22は作図はできていて予想もできていたのに、ルートミスをしてしまった。止まって読むこと自体はできたのだが、読み切れていなかった。

 

作図の様子を公開。

作図は2週間前からやり始めた。スプリント大好きな某現役に井頭公園の旧図の情報を聞かれて、そこから一緒に対策することになった。

 

 

作図開始1時間半



基盤地図ではかなり厳しいことがすぐに分かった。そもそもプールの形と建物の構造が古いままだった(一万人プールは2回リニューアルされているようだ)ので、必然的に航空写真や動画を探す必要があった。

 

まずは橋を書いた。そして、プールは水を抜くと思っていたので、プール内の階段、水に入りやすいところを探した。

 

作図2日目

航空写真で書くとかなりずれというか歪みが出てしまっていた。
そもそもgoogle mapの航空写真の画質があまりよろしくない。

 

ここで色々探していると、いい感じのイメージを見つけた。

震災からの復旧イメージ図だった

 

https://www.pref.tochigi.lg.jp/h09/houdou/documents/nyujoushasuu.pdf

この時点から北東の建物やプールがまた少し変わっているのだが、概ねはこれで良さそうだったため、これをもとに作図し、航空写真と照らし合わせて違いそうな部分を修正するという方針をとった。

作図は1/23の週の平日に1日4-5時間でやった。動画を朝夕の電車内で見て、新たに分かった部分を足していっていた。ついでに神奈川県の全日本リレーの対策も自分主導で行ったので、この週の20-25時は完全にオリエンテーリングのことを考える時間だった。睡眠時間が5時間台に減っていて苦しかったが、これはこれでそれなりに楽しかった。


1/25(作図4日目)、右上以外はそれっぽくなってきた




1/27、プログラム出る直前。ほぼ完成のつもりだった。


このあとはプログラムが出て、そのサンプルマップを見て直したのと建物内の立体交差の動画を探した。調べたらアスレチックエリア(プールの西)も一部設備修理中で一般人は入れなくなっていて衝突の危険性はなさそう、渉外次第で可能性がないわけではなかったが、普通の森っぽかったので面白くならないだろうとここの作図は切り捨てた。また、前回大会のプログラムに少し旧図範囲外の作図が載っていたが、大した情報を得ることはできなかった。

 

さらに動画を探すと

・建物のスロープの立体交差部分が詳細に映った動画(公式掲示板と一致した)

・プール北の道を歩いている動画(開きそうな柵を発見)

・はっきりとした画質の空撮動画(ドローンで撮ったと思われる)

を発見したのでこれを反映した。


こうしてできた最終版(水も抜いてみた)がこちら。

最終版

 

作図完。これを紙で印刷して既存地図にのりで張り付けてスキャンというアナログな方法で合体させていた。

さて、作図は順調で、参加者の中で誰よりもテレイン構造を理解している自信があったが、コースはそれっぽいのができないでいた。

プログラムから分かる情報としては

・会場からのスタートの距離とwarm upエリアの情報より8割くらいの確率でスタートは左

・45%でビジュアルという情報とビジュアルへの進入方向からビジュアル前にプールが確定、また距離的に池を1周にはならないのでビジュアル後にもう一度プールに入ることもほぼ確定

・コース区間の30%が舗装以外の情報からビジュアル直後は不整地を回す

また、作図の結果とプール北西が面白くないエリアということより柵の隙間からプールへ進入するだろうと想定していた。

こうした中でプール進入までと不整地の回しが全く思いつかないでいた。

当初は予想作図を他の人には一切見せないつもりでいたが、予想コースが多く組めずにこのままでは宝の持ち腐れになる可能性が高くなり、方針を転換した。

ここで自分の予想作図と引き換えにコースを組んでもらったのが、今回優勝したばなさんだった。不整地の回しはやっぱこうなるかという感じのものだったけど、プール上に人工柵と立ち入り禁止エリアが設けられていて味を出していた。これが大会3日前で人工柵への対策が少し遅かった。

ちなみにばなさんはijc選手を中心としたES関東の人と対策していた。もちろんES関東で予想地図を作っていた。ばなさんは自分が予想コースの作成頼んだものについて、縮尺などが合わなかったのかES関東の予想地図を使って組んでくれた。ただ、当然他人に見せてはいけないという条件付きだった。なので後輩には見せられなかった、ちょっと申し訳ない。ES関東の予想地図は要所を捉えていてとてもきれいに書けていた。一方で柵の隙間やアンダーパスなど(動画を見れば分かる範囲でも)結構抜けている部分もあって、自分の方が構造を理解している気がしていた。

 

身体のコンディションは良かったが、1月になってからの異動による週5出社(及び遠すぎる通勤)で明るいうちに走ることができなくなっていた。読図走をしないで挑むのはありえないので仕方ないが会社の昼休みに読図走を3日した。自作マップではありえん読みづらかった(本番の地図すごい)。冬で汗をかかないのでなんとかなるが、やはり革靴でやるものではない。前日にコンピをやったら脚が終わりかけたが、めちゃくちゃマッサージして湿布張ったらなんとかなった。

レースは人が多いということもあって緊張した。△→1なんて全然難しくないのにすごいドキドキしながらコントロールにたどり着いた。4→5は対策していた通りにスロープを進めた。勝負レッグ1の7→8もなんとか正しいルートチョイスを選べて、まずまずだった。うろちょろしながらも絶望的なミスはしていないままビジュアルに来た。

(結果を見ると、ここまでなんと12位。小牧や入江とほぼ互角に戦えていたらしい。後から分かったが堀田さんに抜かれるまで第一中間では1位だったようだ。)

 

ビジュアル直後に1分前の小寺に追いついた。しばらく簡単な回しだと油断していたが、細かいところでミスをしていてわずかにミスタイムが積みあがっていく。この回しで小寺を抜けず、少し焦る。

 

かなり考えたが、良いルートが読み切れないまま、プールへ進入。そこまで悪くなかったが、上位とは差がつく。そして、つなぎのレッグと思われるレッグで人工柵が読み切れておらず、柵が空いていないことに驚き、そして焦る。訳が分からなくなった。うろちょろした末に一番下まで下りてしまい、40秒のミス。しかしまた小寺に会って一緒に走る。最後の勝負レッグも読み切れず、一度止まって読んだが、最悪レベルのミスルートに行ってしまい、50秒のロスが追加。完全に終戦だった。

 

結果31位。

最後の勝負レッグを小寺についていけばそれだけで24位だったし、前半が順調にこなせていただけに後半のミスがあまりにも悔やまれた。

 

しかし上位陣を見ると前半の回しだけで40秒も差がついていた。信じられなかった。差を見せつけられた。

 

まだまだスプリントうまくなりたいと思った日だった。

 

そして、村田コースプランナーさすがである。

彼のことは前橋公園の地図を描いた頃から認識していた。ここまでやばいコースができあがるとは、頭が下がる。今年のインカレスプリントで一緒に仕事したので、色々話ができて良かった。

 

人工柵(青黄色テープ含む)が合計2km弱あったらしい。運営の方の尽力にも感謝だ。

 

来年、といってももう1月の駒沢はどんな舞台が待っているだろうか。